2020年8月19日(水)、三菱地所が運営するEGG JAPANのビジネスコミュニティ「東京21cクラブ」と、イベント・コミュニティ管理サービス「Peatix」が共同開催する「Founders Night Marunouchi」を実施しました。(前回のイベントレポートはこちら)。

このイベントは、スタートアップの第一線で活躍する経営者から学びを得るもの。今回の登壇者は、「もっと自由に、楽しく走れる世界へ」をビジョンに掲げる株式会社ラントリップ代表取締役の大森 英一郎さん。

「走る楽しさって、タイムの速さや距離の長さを競うことだけではないと思うんです」

夕陽が見える海岸沿いでの一走りは、仕事終わりの疲れを吹っ飛ばしてくれたり。走り終わった後にかけられる「ナイスラン!」は、「明日も頑張ろう!」と思わせてくれたり──。

そんな走る楽しさを広めるため、旅先や知らない土地でもおすすめのランニングコースを見つけたり、他のランナーとのコミュニケーションがとれるランナー向けSNSアプリ「Runtrip」を運営  しています。

今回は、大森さんに起業に至った経緯や、ラントリップの展望を語っていただきました。モデレーターは Peatix Japan 畑洋一郎さん、東京21cクラブ運営統括の旦部聡志です。

 

「走るのが嫌いだった」元箱根ランナーが起業するまで

新卒でリクルートに就職後、観光系事業会社に転職し、ラントリップを立ち上げた大森さん。実は、ご自身も箱根駅伝に出場した経歴を持つランナーなのだそう。その経歴だけ聞くと「走るのが好きだから、その分野で起業されたのだろうな」と思ってしまいますが、イベント冒頭に大森さんの口から発せられたのは意外な一言でした。

「たとえば電車に間に合わないと走ることってあるじゃないですか。でも、日常のなかのそんな些細な瞬間ですら走りたくないと思うほどに、走ることが嫌いだった時期もありました」

箱根駅伝の常連校である陸上部に入部した大森さん。一秒を争う厳しいトレーニングを重ね、仲間とレギュラー争いをする日々。大学4年生の冬には念願の箱根駅伝に出場できたものの、出場後は燃え尽きて一気に走る意欲をなくしてしまったと言います。

「走る世界にはもう二度と足を踏み入れない」

そう考え、新卒ではリクルートグループに就職。5年程は一切走らない生活を送っていたそう。

しかし、あることがきっかけで再びランニングへの意識が大きく変化していったと言います。

「観光系事業会社に転職し、時間の余裕ができたんです。せっかくなら余った時間を有効活用したいと、休日に副業でランニングレッスンを開催しはじめました。そこで純粋に走ることを楽しむ市民ランナーのみなさんに出会って、ハッとさせられたんです。

例えば、ランニングをはじめたばかりの70代の女性は、はじめて3キロ走れたときにすごく喜んでいて。それまでタイムが早いことや長い距離を走れることが正義だと思っていたけれど、走ることを純粋に楽しめばいんだって気づいて。もっとこういう人を増やしたいと心の底から思ったんですよね」

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       <株式会社ラントリップ代表取締役 大森 英一郎さん>

そこで大森さんが思いついたのが、走りたくなるようなコースや一緒に走る仲間を見つけることで「もっと自由に、楽しく走れる世界」を実現するサービスでした。

「走ることを楽しむためには3つの要素が重要だと考えています。まずは、走っていて気持ちがいいロケーション。さらに、走ることが好きな人たち同士のコミュニケーション。それから爽快に走るためのシューズや服といったギアです」

このなかで大森さんが最初に着目したのはロケーション。走って楽しい場所は資源になると考え、旅先や知らない土地でおすすめのランニングコースを見つけられるWebサービス「Runtrip」をリリース。また、2019年11月からはアプリでランナーが交流できるSNS機能の提供を開始しました。現在は毎月数十万人が利用する人気のサービスへと成長しています。

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           <ランナー専用SNSアプリ「Runtrip」>

走ることは人を幸せにし、生活を豊かにすると信じている。

自身のランナーとしての経験からアイデアを得て、起業した大森さん。イベント後半に、モデレーターの畑さんから「自分の今まで経験を生かした事業を展開する強みと、葛藤について教えて下さい」という質問が投げかけられました。

「一番の強みは、実現したい世界を信じ続けられることです。キャッシュが残りわずかで、普通だったら撤退すべきと判断される状況に陥ったこともありました。でも、事業領域を変えようとは思わなかった。ランニングには幸福度をあげ、生活を豊かにする力があると信じていたからです。ランニングを通じて幸せに暮らせる人を増やしたい。  そう強く思っているからこそ、短期的な視野にとらわれず事業を続けることができ、結果それが競合優位性になると考えています  」

さらに、同じようにランニングを心から愛してビジョンに共感する仲間が大森さんの周りには集まりやすく、採用につながりやすいというメリットもあると言います。

一方、自分自身の経験を生かした事業を展開することで自然と視野が狭まってしまう葛藤もあるのだとか。ニッチな層のためのサービスになってしまわないよう、ビギナーなどの意見も積極的に取り入れて、より多くの人が利用しやすいサービスにできるように気をつけているそうです。

ランナー人口は20年で約400万人増加し、国内でランニングを楽しむ人は1000万人近くにものぼると言われています(笹川スポーツ財団調べ)。現在は、広告収益やE でマネタイズをしていますが、 の会員数が増えれば、 月額課金も視野にいれると大森さんは話します。

イベント最後には「走る楽しさ」を多くの人に伝えるためにも、Runtripをグローバルサービスにしていきたいと意気込みを語ってくれました。

「先日開催された、自分が好きなコースを各自が走り、その様子を共有するオンラインイベント『On Friends Online Meetup』 には、台湾や香港出身の方たちも参加してくれました。コロナ禍であっても、オンラインでつながり 、インタラクティブなランニング体験を届けられるはずだと思っています」

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★次回のFounders Night Marunouchiは、9月2日(水)に
Public dots & Company代表 伊藤大貴さんをお招きし、オンラインで開催予定です。
初めての方でも大歓迎です!どなたでも無料でご視聴頂けますので、
こちらよりお気軽にお申し込みください。

●東京21cクラブ 公式SNS
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●過去のイベントレポート
Founders Night Marunouchi vol.14こちら
『大阪市職員からオープンイノベーション支援の専門家に。フィラメント代表の角勝さんが語るコロナ影響下での「偶発的な出会い」』

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『NY生まれのゲーム好きな青年は、なぜ日本で起業したのか?埋もれたプロ達の救世主「Zehitomo」の展望』

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