2020年4月28日(火)、第7回となる東京21cクラブとイベント・コミュニティ管理サービス「Peatix」との共同開催イベント「Founders Night Marunouchi」は、今回初めてオンライン開催をいたしました。

このイベントは、スタートアップの創業者がサービス立ち上げのきっかけから現在までの軌跡を語るもの。新型コロナウイルスの影響で、2月中旬以降はイベントを中止していました。

今回は「地方スタートアップ企業が東京でビジネスを展開する意味」をテーマに、土地所有者とドローンユーザーをつなぐ空のシェアリングサービスを提供する株式会社トルビズオン代表取締役社長の増本衛さんが登壇。モデレーターはPeatix Japan取締役の藤田祐司さん、東京21cクラブ運営統括の旦部聡志が務めました。

福岡県に本社を置くトルビズオンは、ドローンの実証実験が行いやすい広大な土地がある地方ならではの良さを生かしつつ、情報が集まる東京で資金調達や大企業との連携を進めてきました。しかし、新型コロナウイルスの影響でリモートワーク化が急激に進んだことで「東京と地方の情報格差はなくなるかもしれない」と、今後の可能性について増本さんは語ります。

イベントでは、Withコロナ時代におけるスタートアップ経営で大切なこと、トルビズオンが目指す社会について熱く語っていただきました。

 

「上空」の利用権を売買し、ドローンを用いた輸送を当たり前に

 

masumoto-san_pic 株式会社トルビズオン 代表取締役社長 増本衛さん 

もともと「ドローンが未来のインフラになる」と可能性を感じ、同領域で新事業の立ち上げを模索していた増本さん。販売代理店を運営したり、ドローンを活用した映像制作、それに伴うコンサルティング事業を展開したりするなかで、今後さらなる事業拡大が期待できる分野として着目したのが”飛行権の売買”でした。

増本さん「改正航空法によりドローン活用は進んでいますが、農地や森林、施設、住宅街の上空での飛行は難しい。なぜなら、民法207条で『土地の所有者の権利はその上下に及ぶ』と決められており、土地所有者の許可なくドローンを飛ばすことは禁止されているからです。そこで、“上空の利用権”を売買できる環境をつくれれば、ドローンの可能性をもっと広げられるのではないかと考えました」

自由に上空を飛行できるようにすれば、ドローンを活用した災害対応や買い物代行などが当たり前になるかもしれない。そう考え、​増本さんは空中権シェアリングプラットフォーム「sora:share(ソラシェア)」を開始しました。

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 sora:shareでは現在「S market」と「S ROAD」という2つのサービスを展開しています。

S marketは、空の所有者と空撮や飛行練習をしたいドローンユーザーをつなぐプラットフォームです。現在約430人のユーザーが登録しており、登録されている土地の数は100か所以上。ホテルの予約サイトと同じような感覚で、簡単にドローンの飛行権を取引できます。

S ROADは、小売、物流業者向けドローンプラットフォームです。点在する空の権利をつなぎ合わせて道をつくり、商業利用を可能にするだけでなく、業者向けの決済・課金システム、エンドユーザー向けの注文・決済システムなどを提供しています。2019年11月には山口県下関市で、買い物難民の方々向けに商品配送を行う実証実験が行われました。他にも、本社を置く福岡県福岡市や、茨城県つくば市などで自治体連携が進んでいます。

現在、sora:shareはビジネスモデル特許を取得し、さまざまな企業や自治体と連携しながら、空の道の整備を進めています。すでに、西濃運輸株式会社と物流拠点、JForest全国森林組合連合会と国土の3分の2を占める森林の上空利用権の登録を始めているそうです。増本さんは「“空のガバナンス”スタンダードを日本から発信していきたい」と今後の豊富を語ってくれました。

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コロナウイルスの影響で、東京と地方の情報格差はなくなる?

 

次にイベントのテーマである「地方スタートアップ企業が東京でビジネスを展開する意味」や、Withコロナ時代に地方スタートアップ経営者が気をつけるべき点が語られました。

九州を中心に事業を展開してきた増本さんは、地方に拠点を置くメリットとして、ドローンを飛ばしやすい広大な土地が多く、PoC(概念実証)がしやすいことを挙げました。一方で、大手企業との連携や資金調達を進めるうえでは、情報が集まりやすく、担当者や投資家と直接会って信頼関係を構築しやすい都市部にも拠点を置く重要性を感じていたと言います。

しかし、新型コロナウイルスの影響で多くの情報がオンラインで公開されるようになり、情報格差という点で東京と地方の差はなくなりつつあると増本さんは言います。そして、この変化は地方スタートアップにとって追い風になるのではないかと続けます。

増本さん「これまではオフラインで会うことが、投資家や大手企業の担当者に企業を知ってもらうための大きな手段となっていました。しかし、今あらゆる情報がオンラインに集まりつつある。今、Web上での情報発信やSNS活用に力をいれれば、地方スタートアップが存在を認識してもらえる大きなチャンスとなりえます」

もちろん、信頼関係の構築のしやすさや偶発性の生まれやすさという点において、リアルの場が持つ価値は変わることはありません。リアルな場でのコミュニケーションも大切にしていきつつ、今回のコロナウイルスの影響によって生まれた新たな可能性にも目を向けていく必要がある、という増本さんの言葉でイベントは締めくくられました。

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今回は初めてのオンライン開催でしたが、100人弱の方々に参加いただきました。YouTubeのコメントを通して多くの質問や意見もいただくなど、イベントは盛況のうちに終了しました。

次回のFounders Night Marunouchiは、5月27日(水)16:00より、今回もオンラインで開催いたします。第9回は、ZOZOテクノロジーズ代表取締役CINOの金山 裕樹さんをお迎えし、コロナ禍で大きな打撃を受けているアパレル業界、今後テクノロジーがファッションにどのような変化や影響をもたらすのか。ファッション及びマーケットの将来についてお話をお聞きします。

ぜひお気軽にご参加ください!概要&お申し込みはこちらから