2019年12月4日(水)、東京21cクラブにて、イベント・コミュニティ管理サービス「Peatix」との連続共催イベント「Founders Night Marunouchi」を開催しました。

スタートアップの創業者がサービス立ち上げのきっかけから成功までの軌跡を語るこのイベント。4回目となる今回は、個人のスキル・知識・経験を商品として売買できるスキルマーケット「ココナラ」を運営する、株式会社ココナラ代表取締役社長 南章行さんに登壇いただきました。聞き手は、Peatix Japan取締役 藤田祐司さんです。

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左からPeatix Japan取締役 藤田祐司さん、右が株式会社ココナラ代表取締役 南章行さん

現在、ココナラには130万人以上の会員が登録しており、累計取引成立件数は350万件を突破。2019年7月には総額12億円の資金調達を実施し、さらなる躍進が期待されています。イベントでは、南さんが考える「経営者に必要とされる能力」について語られました。

自分のブレない信念を形成するためにMBAへ

 ココナラでは、デザインやWebサイト制作、恋愛相談、ダイエットのサポートなど、多種多様なスキルを商品として出品できます。空き時間を利用して、誰でもスキルを売ることができ、副業やフリーランス人口が増加する今の時代にマッチしたサービスとなっています。

しかし、時代の変化を予測し、必要とされるであろうサービスをイメージするまでは、経営者として最低限の能力でしかないと南さんは語ります。

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それ以上に経営者として必要なのは「自分なりの信念に基づいて、意思決定する力だ」と話す南さん。そう考えるようになったのは、2004年に入社した投資ファンドである株式会社アドバンテッジパートナーズでの経験が大きな影響を与えていると言います。

「企業を買収する際に、自分がその企業の経営者になる経験をしました。その中で、人望はあるものの成果を出せない人と、その逆の人。どちらかを選ばないといけない、といったような決断の難しい場面に直面することが多くなりました。経営者になると、簡単には答えを出せない問いに幾度もぶつかるのだと気づかされたのがこの頃でした」

こうした「正解のない問い」に答えをだすためには、「自分はこの信念に基づいて判断をするのだ」という確固たる基準が欠かせないと感じた南さん。そこで、自分なりの信念を育てられる環境を求め、オックスフォード大学経営大学院(MBA)への留学を決意しました。

「MBAでは、経営者としての意思決定力を高めるために、多くの議論を行いました。例えば、児童労働が行われている工場を撤廃すべきかどうかを議論したことがありました。劣悪な環境で子どもに仕事をさせるべきではないとする意見がある一方、工場を撤廃すると稼ぐ場所を失い、売春などを行う子どもたちが増える可能性がある。そのため、工場を残すべきだと意見する人もいました。どちらが正解だと明確に断言しづらいテーマでも、自分なりの意思決定をしなくてはなりませんでした」

こうした訓練を繰り返すうちに、南さんは徐々に自分なりの信念を言語化したと言います。

見つけたのは「一人ひとりが自分らしく生きられる世界をつくる」という指針

では、MBAでの経験を通じて明確になっていった南さんの信念とは、いったいどのようなものだったのでしょうか。

「意思決定の訓練を繰り返すうちに、私の中核にある信念は『一人ひとりが自分らしく生きられる世界を目指すこと』であり、最も重要な判断基準なのだと気づきました」

そこで、南さんは帰国後、この信念に基づいて2つのNPOの設立に携わります。その一つが、アイルランド発祥のNPO法人ブラストビートの日本法人でした。

ブラストビートは高校生が音楽会社を作り、ライブイベントの企画やマーケティングを実施。その収益を寄付するNPOです。留学中にブラストビートを知った南さんは、実践的な取り組みの中で、高校生たちが自分らしく生きる力を身につけていく様子に感銘を受け、帰国後に、日本法人を設立したのです。

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ブラストビートの活動を通して「自分らしく生きる力」を獲得していったのは、実は高校生だけではありませんでした。高校生をサポートする社会人ボランティアの様子を見ているうちに、南さんはある変化を感じたのだと言います。

「ボランティアを通じて大人たちがすごく元気になっていったんですよね。彼らの中には、会社と家庭しか社会との接点がない人も多く、自分が社会にどんなインパクトを与えているのかがわからないまま過ごしている人も少なくありませんでした。しかし、ボランティアで子どもたちと触れ合い、彼らの成長を見届ける中で、自信を獲得していった。それをきっかけに、起業したり、会社で新規事業に立候補したりと、自分らしく挑戦していく人が徐々に増加していったんです」

「会社と家庭以外に活躍の場があれば、もっと自分らしく生きられる人が増えていくかもしれない」そう考えた南さんが次に考えたのが、社会貢献団体とそれをサポートしたい人をつなぐNPO法人二枚目の名刺です。

しかし、二枚目の名刺には、社会貢献活動で価値を出せる、コンサルティング的な能力にすぐれた一部のビジネスマンしか参加しづらいデメリットがあったと言います。

「もっと多くの人に自分らしく生きる機会を提供したい」と考えた南さん。時間や場所にとらわれずに、自分が得意なことをスキルとして売れれば、もっと多くの人が活躍できるのではないかという思いでつくられたのが、ココナラだったのです。

「今私たちは創業8年目となりました。これからもより多くの人が、ココナラのサービスを通して『自分のストーリー』を生きることができる世の中を作っていきたいです」

南さんは最後にも揺るがぬ信念を強調し、イベントは締めくくられました。終了後は、参加者と登壇者が自由に意見を交換する交流会を開催。盛況のうちに終了しました。

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次回のFounders Night Marunouchi vol.4は1月22日(水)に開催予定で、須藤 憲司さん( Kaizen Platform 代表) と 藤田 祐司(Peatix Japan) が登壇します。興味がある方はぜひご参加ください(チケットのお申し込みはこちら)。