2019年11月20日(水)、東京21cクラブにてイベント・コミュニティ管理サービス「Peatix」と共同開催のイベント「Founders Night Marunouchi」を開催しました。

このイベントは、スタートアップの創業者がサービス立ち上げのきっかけから成功までの軌跡を語るもの。3回目の今回は荷物一時預かりシェアリングサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」を提供するecbo株式会社 代表取締役社長の工藤慎一さんに登壇いただきました。

「工藤さんは生まれながらのアントレプレナーですよね」

今回登壇した工藤さんの人柄を、大学生のころから親交があるPeatix Japan株式会社代表取締役の岩井直文さんが表した言葉です。起業家一家に生まれ、幼少期をマカオで過ごした工藤さん。大学卒業後にUber Japanでインターンを経験した後、ecboを創業しました。

ecbo02左からPeatix Japan株式会社代表取締役の岩井直文さん、ecbo株式会社 代表取締役社長の工藤慎一さん

JR東日本・西日本やメルカリ、本田圭佑さんの個人ファンド「KSK Angel Fund」などから資金調達を行い、話題を集める同社。工藤さんが「生まれながらのアントレプレナー」と呼ばれる理由、どのようにしてecboを拡大させてきたか。イベントではその理由が語られました。

ゲームカードの転売、Uber Japan――ecboの前身となったもの

工藤さんが「生まれながらのアントレプレナー」として才能を開花したのは、小学生のころまでさかのぼります。遊んでいた日本のゲームカードが、中国で高く売られていることを知り、「これはビジネスになる」と考えた工藤さん。父から1万円を“資金調達”し、ゲームカードを大量に買い、中国に転売。その結果、14万円まで増やすことに成功したといいます。

その経験を通して、いつか「自分でビジネスをしたい」という思いを胸に抱いた工藤さんは、大学卒業後にUber Japanの立ち上げにインターンとして関わりました。

工藤「タクシーの配車アプリと聞いたときは、正直かっこよくないなと思いました(笑)。しかし、世界中の交通事故をゼロにするというビジョンに感銘を受けたんです。Uber Japanでは事業を通して社会にインパクトを与えること、スピード感をもって事業を展開するスタートアップならではの戦略などを学びました。それらはecboにも生かされています」

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その後、2015年にecbo株式会社を設立。設立当初はオンデマンド収納サービス「ecbo storage(エクボストレージ)」をβ版運営していましたが、人件費や配送コストがかさみ運営継続について検討していた中、挑戦を決めたのがecbo cloak(エクボクローク)でした。

工藤「現状コインロッカーは都内に約22万個ありますが、駅近くの土地不足により増加率は低い状態。その結果、1日17万人のコインロッカー難民がいます。訪日外国人数が増加しており、近年は多くの旅行客が重たい荷物を持ったままの移動を余儀なくされています」

そこで、工藤さんは荷物をお店や施設の空きスペースに預けられるサービスを構想。ecbo storageでの経験を生かして、資金をおさえたうえでサービスの検証を行ったといいます。

工藤「身近にあるサービスを使えば、サービスの検証はコストをおさえて可能になります。当社はGoogleが提供するサービスと友達のゲストハウスを利用し、このサービスにどれほどニーズがあるかを検証し、そのデータをプロダクト完成前に投資家へ持っていきました」

サービスの検証を行い、強いニーズを感じた工藤さんは2017年1月にecbo cloakを正式リリース。同年3月には、ANRIや個人投資家などから数千万円の資金調達を行いました。

実績ゼロのスタートアップがクライアントを獲得するには

実績の少ないスタートアップがぶつかる壁として、初期におけるユーザーやクライアントの獲得が挙げられます。ecbo cloakの場合、荷物を預ける店舗の協力が不可欠でした。

工藤「『荷物を預けられるコインロッカーが足りていないので、預かってほしいです』と課題から伝えても、納得してくれる店舗は少なかったです。そこで、人々の『モノの所有』のあり方をもっと自由にしたいというビジョンを、どれほど熱く語れるかということを意識しました」

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その結果、リリース当時から約30店舗が協力してくれ、2ヶ月後には株式会社TSUTAYAもecbo cloakを導入。想像していた以上に多くの企業の協力を得られたといいます。

ユーザー が増えたポイントとしては、訪日外国人旅行客へのPRを挙げました。「コインロッカー難民になるのは、外国人観光客が多いはず」という仮説のもと、日本のサービスを紹介する海外メディアにプレスリリースを送付。さまざまなメディアで紹介され、認知を獲得しました。その後、口コミを中心に拡大していき、2019年12月現在ユーザーの約7割が外国人となっているそうです。

2019年9月には、50業種以上ある既存のecbo cloakの荷物預かり店舗で宅配物の受け取りができるサービス「ecbo pickup(エクボピックアップ)」を発表し、アマゾンジャパンとの業務提携も発表。渋谷エリアを中心に、Amazonで購入した商品を一部の荷物預かり店舗で受け取ることが可能となりました。

急速な成長を続けるecbo。現在の課題として挙げるのが、社長としての自分の役割だといいます。今後は現場の仕事だけでなく、組織作りにも注力すると語り、イベントは締めくくられました。その障壁を乗り越え、さらなる飛躍を遂げるであろうecboに今後も期待です。

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イベント後は、参加者と登壇者が積極的に意見交換を行い、盛況のうちに終了しました。

次回のFounders Night Marunouchiは、1 月22日(水)予定をしています。詳細が決まりま次第EGG JAPANホームページにてお知らせいたします。ぜひご参加ください。