2017年5月17日(水)、EGG JAPANにて「丸の内フロンティア・ネットワーキング定例会」を開催しました。今回は「日本発のイノベーションを届けよう!世界へ! ~国内ベンチャー企業の海外展開のリアル~」をテーマに、ベンチャー企業の発展や法制度、米国での起業リスクなどについて活発に議論が交わされました。

■講演:株式会社ゴールドアイピー:事業紹介と自社サービス「アイピーダイレクト」について
■講演:株式会社メルカリ:新たな価値を生み出すマーケットプレイスと海外事業展開について
■講演:ティフォン株式会社:テクノロジーとアートの融合から生み出すエンターテインメント
■講演:ディーエルエイ・パイパー法律事務所:成長ストーリーを実現させるワンストップサービスについて
■パネルディスカッション:ベンチャー企業のアメリカ進出と法制度のリスク
■質疑応答

白坂様IMG_0415

まずは、株式会社ゴールドアイピー代表取締役社長の白坂一さんにご登壇いただきました。テーマはITで法務事務を効率化する「リーガルテクノロジー」について。海外への特許出願を望む中小企業と世界の弁護士・弁理士をダイレクトに繋げることで、特許出願から登録までに必要な料金を3割~5割削減することを可能にした自社のチャットシステム「アイピーダイレクト」の活用法を、現場での経験を交えながらお話しいただきました。

上村様IMG_0425

次にご登壇いただいたのは、日本最大のフリマアプリを開発・運営する株式会社メルカリのリーガルグループの上村篤さんです。メルカリのミッションは「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」。幅広い商品ラインナップや決済時に売上金を預かるエスクローシステムで、スムーズな取引をユーザーに提供して利用者を拡大しています。新会社設立による新サービスの提供や、米国をはじめとした海外展開の加速など、今後の展望についてもお話しいただきました。

深澤様IMG_0435

続いて、ティフォン株式会社CEOの深澤研さんによる講演では、顔認識機能やVRなどの先進的なテクノロジーに焦点が当てられました。全世界で3500万ダウンロードされた、顔認識機能でカメラに写った人の顔を“ゾンビ化”するスマホアプリの開発や、全米で話題となったディズニーキャラクター変身アプリを例に挙げながら、同社の事業について詳しくご紹介いただきました。さらに、現在研究している最新のVRテクノロジーや、今夏に実現予定の“自分自身も映り込む”VRお化け屋敷の開発についてもお話しいただきました。

石田様IMG_0452

最後に、世界90カ国以上に拠点を持ち、世界トップレベルの売上高とマンパワーを誇る外資系法律事務所、ディーエルエイ・パイパー法律事務所のパートナー弁護士を務める石田雅彦さんにご登壇いただきました。
ディーエルエイ・パイパーは、アメリカとイギリスのそれぞれの法律事務所が2005年に合併し、10年間で世界一の規模に成長した国際法律事務所として知られています。日本の弁護士として、各国の文化や慣習を十分に理解した海外の弁護士と連携して、世界中に事業展開する日本企業・ベンチャー企業に対してどのように質の高いバックアップを行っているのかについて力強く語られました。

全体_IMG_0469

その後、「ベンチャー企業のアメリカ進出と法制度や文化の違いによる訴訟のリスク」をテーマとして、ゴールドアイピーの白坂さんをモデレータに4人による意見交換が活発に行われました。

アメリカに進出した日本企業がたびたび直面する訴訟問題。石田さんは、日本の企業が損失を受けないために、アメリカに法人を作ることも選択肢として提言されました。スタートアップ企業が持っているリソースを本業に100%つぎ込むためには裁判を起こされること自体が大きなリスク。日本企業として、いかに裁判を含む法律上のリスクを避けるか、そのためにはどのような事前準備が必要か、といった点について、実践的なアドバイスも含めて説明されました。

また、文化の違いも問題視されました。上村さんは、アメリカでは事前の交渉なしで訴訟になるケースが多く、費用がかかるうえ即時性を求められるので、普段から準備をしておくことが大切だと話されました。さらに、特許を買い集め、その特許を盾に他社に高額なライセンス料を要求したり、特許侵害で訴える「パテントトロール」の問題にも触れ、アメリカでの特許をめぐる訴訟について議論が交わされました。

最後に、キリン株式会社・事業創造部の市川晋太郎さんより、キリンの事業創造に向けた取り組み「KIRINアクセラレーター2017」をご紹介していただきました。

今回の講演とディスカッションに対して参加者から質疑応答を募ると、「海外に展開すべきでない企業のポイント」「企業がアメリカに出る場合の心得」「資金調達のタイミング」「特許取得に時間がかかるなかで、海外でサービスを公開する際の注意」など、より実践的な課題について熱く議論が交わされ、登壇者・参加者ともに今後の展望を見つめ直す良い機会となりました。