2017年2月15日(木)に「丸の内フロンティア」が開催されました。今回のテーマは「遺伝子解析によって切り拓く次世代個別医療の現状と近未来」。医療関係者の方を対象に、現在の医療や保険制度、また希少疾患など、多岐にわたるテーマでお話いただきました。

【今回のトピック】

■講演:ミルテル社「疾患予防と早期発見プログラムについて」

■講演:レミジェス・ベンチャーズ社「国境を越えた医療イノベーションについて」

■講演:国立がん研究センター「ゲノム医療の普及への取り組みについて」

■パネルディスカッション:「遺伝子解析によって切り拓く次世代個別医療の現状と近未来」

■質疑応答

ミルテル様IMG_9847

まずは、株式会社ミルテル代表取締役会長の田原栄俊さんより、現在取り組んでいる疾患予防と早期発見のためのプログラムについてお話いただきました。独自の検査プログラムによって実際に早期がんの発見効率が高まっていることを、具体例を交えてご紹介いただき、また認知症の予防については、医療や介護の費用削減につながるとご提言されました。医療検査に関する新規のビジネスモデルを今年中に公表すると明言。現在問題になっている医療費の削減につながるという見解をお示しになりました。

レミジェス様IMG_9870

次に、レミジェス・ベンチャーズのマネージングパートナー・稲葉太郎さんより現在の取り組みや今後の事業展開についてお話いただきました。日本の大学発のシード技術と米国のバイオテック・エコシステムを繋ぎ、付加価値を高めることや、米国のバイオテック企業と日本の製薬企業との連携を促進することで、国境を越えたイノベーションを実現し、病に苦しむ人に希望をもたらしていきたいとのことでした。

国立がん研究センタ-様IMG_9879

続いて、国立がん研究センターの企画戦略局長である藤原康弘さんに、ゲノム医療の日常診療での普及に向けた取り組みについてお話しいただきました。がん細胞の多様性に合わせた個別化医療の必要性を示し、国立がん研究センターの 5 つの取り組みについてご説明いただきました。ゲノム情報に基づく様々ながん領域の創薬や診療の実現、人工知能を用いた統合的ながん医療システムの開発などを詳しく解説いただきました。

ディスカッションIMG_9927

その後、登壇者によって「遺伝子解析によって切り拓く次世代個別医療の現状と近未来」というテーマでパネルディスカッションが行われました。日本医療政策機構・理事の宮田俊男さんのファシリテーションのもと、宮田さんとエルゼビア・ジャパン『Monthlyミクス』編集部より望月英梨さんから、登壇者に個別の質問が投げられました。

まずはミルテルの田原栄俊さんに対して、日本の国民の保険制度のビジネス化の課題や、今後のビジネスの広がりについて伺いました。同社が目指す、医療検査や予防ができる枠組みについて紹介され、その検査を多くの人に受けてもらうために必要な取り組みについてもお話しいただきました。

レミジェス・ベンチャーズの稲葉太郎さんに対して、投資家から見たゲノム医療の盛り上がりや、希少疾患領域における臨床開発の特殊性についても、具体例を交えてお話を伺いました。

国民がん研究センターの藤原康弘さんには、日本での希少がんの治療や保険のきかない治療に対する費用の話についても伺いました。希少がんの日本での開発や、国家の医療費の新しい仕組みについてお話しいただきました。

また、医療の中での AI の役割やそのビジネス、医療と IT のつながりについても白熱した議論が展開されました。

質疑応答IMG_9931

最後に、今回の講演とディスカッションでの様々なテーマに対して参加者から質疑応答の時間が設けられました。

「バイオバンクやゲノム情報の共有の際の問題点」「民間保険加入の際の規制緩和に対する前向きな取り組み」「保険制度がある中での医師の仕事の見直し」「医療費が高くなっている中で薬局での調剤費用について」など、多くの質問が飛び交いました。また医療の中での AI の役割とビジネスについてももう一度話が浮上するなど、質問もつきず、定例会は白熱のうちに終了しました。